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さて、ようやく気持ちも落ち着いてきたので、ここで改めて19日に行った「椿姫」の感想をあげることに。

そもそも、幕が上がる直前にジェネラル・マネージャーが通訳を従えて出てきた時から胡散臭かったのです。
ゲオルギュー降板の詫びを告げ、ヤホが代わりを務めることになった事、三年前にも同じことがあり、大成功をおさめたこと、等々。

この降板の挨拶ほど観客を苛立たせるものはなくて、以前、バレエの公演でマラーホフが足の手術により降板した際もササチューが挨拶に出てきて、神経を逆撫でしたっけな。。。。いっそ出てきて頂かない方が割り切って、腹をくくって観ることが出来るのに。
しかもヤホ嬢のことをは二番手だなんて全く思っておらず、むしろゲオルギューでなくてヤホで良かった!と思っているので、陳腐な挨拶が益々陳腐にしか思えない。

海外での公演でのこういった挨拶のいうのは普通なんですか?
わたくし、あまり経験がないのでよくわからないのですが。。。。

ともかく、物語は既にスタートしていたに違いないのだ!
相当穿った見方かもしれないが、そうなのだそうなのだ、バタバタバタ。。。。(手足じたばた)

さて、パッパーノの指揮で始まる序章。
これは11日に行った「マノン」でも感じたことなのだが、オーケストラは悪くないんだけど、なんかやはり指揮が好きじゃないんだな。。。。
オケそのものは英国らしい堅さと適度な柔軟さを持っていて、好感の持てる音を出すんだけど、何故かパッパーノの指揮とはちぐはぐ感があって、本当にこのままパッパーノでいいの!?と思う。

ヤホ嬢が薄い幕の向こうに真っ白なドレスを着てアンニュイに座っている。
うーむ。美しい。ヴィオレッタにぴったりの容姿じゃないですか!

ところが。

歌い始めた瞬間に「あれ?」

彼女を聴いたことがない私ですら、彼女の本来の声ではないということがはっきり分かるほど絶対的に何かがおかしい。
声が喉に引っかかってもたついているし、音が正しくヒットしないのだ。
歌えば歌うほどにひどくなり、
声を出せば出すほど引っかかり、
本人の顔も次第に辛そうになってくるし、
もうハラハラ。

16日は尻上がりに良くなってきたとのことだったので、多少の期待をもって聴いていたのだが、すぐさまそれは望めないことがはっきり分かった。完全にダメダメな喉。疑う由なし。
彼女は歌えない。現にここで今歌っていることが「?」なのだ。

思った通り、尻上がりに良くなることは決してなく、下降線を辿るのみ。
「ああ、そは彼の人か」で天を仰いでしまったのだが、トドメは「花から花へ」。

コロラトゥーラもままならないどころか、正しい音にヒットしない。特に高音域はヒットどころか空振りである。
音をすっ飛ばしてしまった時にはもう、ただただガックリ、、、以外の何ものでもなかった。

一幕が終わるやいなや、同行の母に
「彼女は絶対二幕目は無理。」とキッパリ断言。

しかしあの状態の彼女を舞台にあげるとはROHもあっぱれである。
リハーサルくらいあっただろうのに、彼女が歌える状態にあったとはとてもじゃないけど信じがたい様な一幕だったのだ。

幕間で母に、
「こんな状態でヤホを見続けることは出来ない!すぐさま交代!」と吠える。

幕間でお会いした知人に、
「こんな状態のヤホ嬢を私は、、私は、、、観とうなかった!」と訴え、
「調子がいいと思われるペレスを最初から出すべし!」と鼻息ブイブイ。

ただ、これはあくまでもROHやパッパーノに対して「何故彼女は歌えると判断出来たのか?」ということであって、ヤホ嬢に対する批判では全くない。(ちなみに本心からペレスが観たいとも全く思っていない。)
批判どころか、既に一度、病状悪化のため同じ降板劇を作ってしまった彼女にしてみれば、16日に歌えたことが奇跡であっただろうから、19日に「出させてください!」と手を上げたことは恐らくないと、勝手に想像している。
それより、彼女自身も歌えるなんて実は思っていなかったのではないかと思うのだ(想像です、あくまでも)。

そのような状況で彼女の出演を決めた「誰か」に対して不満と鬱憤は積もり積もるばかり。

案の定、二幕目直前にまたしてもジェネラル・マネージャーの登場。
この登場で何が起きるのかはっきり悟った。

「皆さん、まさか私が二度も舞台に上がるとは思っていなかったでしょう。」

はぁぁぁ~~~~あ!?

お前ふざけとんのかいっ!?


「皆さんもお気づきの通り、彼女は一幕で歌えておりませんでした。」

はぁぁぁぁぁぁ~~~~あ!?


「しかし私たちにはもう一人素晴らしい代役がいます」

はあぁぁぁぁぁぁあああ~~~~あん!?




なんとなく仕組まれていた様な気がして、どうも納得いかないままペレスへ交代。
こんなことなら、せめて誠意を見せて一幕からやり直してほしいと母が訴える。

返金なんて求めてないし、
物でのサービス還元も求めていない。
もしヤホ嬢が歌えないと知っていながらの賭けに出たのであれば、せめて一幕からやり直してもらえれば気持ちもリセット出来た「かもしれない」のだけれど、そこのところ真実は闇の中。

友人にも長々と同様の憤怒のメールを送って迷惑をかけてしまった。

「日本の客には一幕だけでもヤホ嬢を見せとけ、くらいの考えだったのであればひどい!
日本の観客を馬鹿にしている!」
などと子供じみたことを言ってしまったのだけれど、
冷静になって考えてみてみれば、オペラハウスも、主催者側も、高いお金を払った日本人の観客たちをいかに別の方法で満足させられるか、ということに知恵を絞るのに精一杯で、その結果がこれなのであれば、もう、しょうがない、、、、、(やはりそれでもまだ「憤」)。

ペレス嬢は前評判は悪くはなかったけれど、私は聴いた瞬間に
「あ、、、苦手、、、、。」

絶不調のヤホ嬢の直後なので、大体誰を聴いてもうまくきこえてしまうのかもしれないけれど、彼女の歌はまだまだ経験が少なすぎると見えて、どれだけ感情を込めても感情がこもっておらず、ややラディッシュの香りがする大げさな演技に危うく騙されそうになるが、やはり発声が単調すぎてどこかの学校の卒業公演を聴いているみたいな錯覚に陥る。

もちろん急な代役に応えるのは相当なプレッシャーには違いないだろうけど、しかもゲオルギューとヤホ嬢という、観客の期待度満々な二人の後というのは、ハートの小さい歌手だと乗り越えるのは相当な気合い、若しくは潔い割り切りが必要だと思う。


そんな中、しっかりと彼女のカラーを出したペレスにはもちろんお疲れさまでした、と思う。

思う、思う、、、、思うけど、思うけど、、、、、

でもなんかねっとりした「私、頑張ってます!」的な演技のせいでどうしても入り込めず残念。
「私、ほら頑張ってるでしょ!」みたいなのがどうも苦手、、、、

声はしっかり出ていて、良く通る声をしているので、経験を積めば、、、、どうにかなるのかなぁ。。。?
こればっかりは私には全くもって分からない。

一つ言えるのは、いくらアンダー(これは新しく覚えた言葉)とはいえ、ROH日本公演での登場は、今の彼女の実力からすると当たり前だけれど無理がある。ただそれだけ。
それは彼女のせいでも劇場のせいでもない。
オペラハウスを持っている都市の方々には、こんな降板劇は日常茶飯事ではなくとも、稀でもないということははっきり言えることなのだろうし、、、、

だからと言ってゲオルギューは来ないし、
ヤホ嬢の喉の調子は絶不調だし、
そんな訳でチョイスは彼女しかないのでやむを得ない。
だからこそ主催者及び関係者にはもう少しスマートな対応をして頂きたかった。

英国人たる者、もっとスマートに事を運ぶかと思えば、どったんばったんの笑えない喜劇をしてからにー。
もうっ!



最後まで入り込めない「椿姫」であったけれど、ヴィオレッタ以外のことを少し。


期待しつつ、期待を裏切らず良かったのがドビニー公爵役のリン・チャンガンとガストン子爵役のパク・ジミン。
韓国人の歌手を聴くたびに、毎回「なぜ同じアジア人なのに、、、、」と思わずにはおれないのだが、とても気持ちのいい朗々とした声を聴かせてくれた。パク・ジミンなんて、日本で言えば東大にあたるソウル大学ご出身ということなので、頭もいいのだろうけど、身のこなしがスマートで小柄ながら華がある。
主役を張るまでには至らないとは思うけれど、なかなか気になる歌手たちだった。

アルフレード役のヴァレンティは全く期待していなかったのだけれど、それが良かったのか、思っていたより全然良かった。高音部分が若干不安定な場面は多々あれど、全体的には悪目立ちもせず、相手が変わっても淡々と演じていた。この淡々具合が少し物足りないんだけれど、演技がさほど上手ではないのが、逆に本人が意図してないと思われる箇所で、リアルに「どうしようもないなー、アルフレード」感が出ていて嫌いではなかった。
ただ、足が短くてもっさりしていて、おじさんなんだか若いんだかよくわからない。
上半身を演歌歌手がコブシを効かせるかの如くトルネードさせて歌う姿がなんともプレーリードッグだった。

そして最後に忘れてはならないのがサイモン・キーンリーサイド。

ベージュのコートを脱いだらその下にモスグリーンのフロックコート。その下にはカーテンみたいなゴブラン織り系ベスト。厚着に次ぐ厚着。
大変厚着な感じなのだが、贔屓目なのでそれすら素敵。

今まで観てきた威圧的なパパ・ジェルモンとはちょっと違っていて、息子を案ずる、少し気が優しい風に見せつつ、だけど絶対に信念を曲げない頑固さを持つパパ・ジェルモンだと思った。

残念なことに、一連のドタバタに頭に血が上り、あまり集中が出来なかったのだけれど、やはり全体を優しく包み込むジェントルマンなボイスは健在で、彼にヴェルディはどうなの?という意見も巷にはあるけれど、それはそれでそれなりにいい。
ものすごく最高!なんて感じには至らないにしても、やっぱり彼の声は暖かいなー、好きだなー、と実感。




なんだかんだ書いてはいるけれど、これを読むとなんだか和んでしまい、怒りまくって吠えていたことすらうっかり忘れそうになってしまう。

色々あるけど、文句も言うけど、でもやっぱりいい思い出持って帰って、今度は皆さん揃って万全のコンディションで来てね。



9/21 追記
こんなに落ち着いた気持ちになっているのは
ネトレプコ参戦のニュースを受け、すぐさま22日の席二枚を確保した余裕のなせる技か。





9/22追記
ところが、これだけ文句言っておきながら、全てを覆す本日の様々な出来事。
全てが既にいい思い出に。。。。Bravo ROH!



レポもそうだけど、そんな出来事のご報告は間もなく!








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2010.09.20 Mon l Opera l コメント (2) トラックバック (0) l top

コメント

No title
ブログ再開おめでとうございます。
一読者としてとても嬉しいです♪
でも、無理なさらぬように(お身体が一番大事です)v-22

19日のレポをありがとうございます。
きっととても書き難かったに違いない・・・と思います。
ですが、とても冷静な文章に合点がいくことが多く、読んでいる私もすっきりしました。


>こんなことなら、せめて誠意を見せて一幕からやり直してほしいと母が訴える。

オペラのファンならそう思うはずです。
その気持ちに答えるべく、配役すべきだったROH。
最初に、二大美人ソプラノ歌手の競演・・・と銘打って売り出したあたりから何かがずれてしまったのでしょうね。


>リアルに「どうしようもないなー、アルフレード」感が出ていて嫌いではなかった

わはは~同感です。
我が家では、彼が歌う前に握りこぶしを作って振り下ろすのが気になり、バレエクラスに行って腕と手の動きを学ぶべし・・・などど話しておりました。
2010.09.23 Thu l F嫁. URL l 編集
すっかりご無沙汰です
すっかりご無沙汰してしまいました。
色々思うことはあるにせよ、それを覚悟で臨まないといけないのがオペラですな、というのが今回よーーーーく分かりました。ま、キャスト交代は本当に良く起こってるんですが、たまたま今までそういうケースに当たらなかっただけなんでしょうね、なんせオペラ鑑賞歴はたかだか3年目ですから。

ナーンて言いながら実際には高いお金を払っているのですから、言葉で書く以上にその瞬間は現実を受入れることも出来なければ、納得出来ない場合ももちろんあります。

でも、不思議なことに、過ぎてみるともう案外どうでも良くなります(笑)。

今後もまた時々のぞいてくださいね!

2010.09.26 Sun l yol. URL l 編集

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